今回のメモは、あまり気分のいい内容ではないので、あらかじめそう伝えておきます。
先に謝っておいた方が良いと思って、いろいろと申し訳なく思っています。
アイキャッチ画像が、第2話のテイク2のネーム冒頭(2ページ目)になります。
戦争で苦しい思いをしている少女が登場する流れ。
全編通して「戦乱の世」的な内容が登場しまして
それに対して、主人公サイドがアクションする、という物語になっています。
なので、戦争で割を食っている市民、という描写が必要になってきます。なのでアイキャッチ画像のような展開がある。
本題。
前回のメモ(こちら)でチラッと書きましたが、「氷山から船を守る」というエピソードがあります。
これは、乗っている連絡船が遭難して氷山地帯に……という話であり。
その原因として「戦争で部品が軍需産業に流れ、整備が行き届いていない」という事実が語られる。
物語に対して、必要なエピソードとしてそう書きました。
ざっくりと、そういうエピソード……なのですが
既視感がある方もいると思います。数年前の実際に起きた船舶の事故のことです。
大勢の犠牲者が出た痛ましい話で、大変話題になった出来事です。
この「現実に起きた事故」をベースに、話を作ったわけではもちろんありません。
そんな失礼なことをするわけもないです。でも、その出来事に対して既視感がある……もしかしたら、その事故の印象が大きかったせいなのかもしれないと、シナリオを書きながら自分でも思いました。
なので、結構、悩んで、「想起させる内容にならないように」細部から何から大きく変更して描いた(その結果が今の内容)というのが、作者として話しておくべき事実です。
関係ないフィクションの話と言っても、自分の作品で傷つく人を出してはいけない。
そう思って、大きく変えて、まだシナリオしかない作品(エピソード)ですが、内容をちょこちょこ発表していました。主にこのブログとXの投稿になります。
でも、発信してから、「やはりこのエピソードはダメなのではないか?」と後悔しました。
「悲しむ人がいちゃいけないから」というふうに、思って、それも発信して……。
なんだか、自分の中で、言い訳のような気がしてきたんです。
昔、「生まれた時から病気で寝たきり」という幼い少女のマンガを描いたことがありました。
その時も、同じように考えて、
「誰かを傷つけないように」「でも、それを100%防ぐことは出来ないかもしれない」
そういう葛藤を語っていた。
でも、葛藤って何だよ。
「葛藤している」その時点で、自分の中に何らかの言い訳が生まれているんじゃないか。
どうすればいいんだろう。これを書いているけど、結論は出ていません。
生温かい血があふれている。
だから私は作品を描くのだけど。だから、色々な場所から、痛みが噴き出し、それが皆を傷つけるのもわかっているけど。
この気持ちは何だろう。どうして私の表現が、誰かを傷つけちゃうんだ。
悪意や傷つける意図で、表現するのでは、決してない。なのにどうしてだろう……。
「自分の表現に自信を持て」
このセリフが、はからずも、自分の書いたシナリオの中に出てきます。
それだ……。
もしかしたら誰かを傷つけるかも……。1ミリでもそういう印象を、自分でも感じているのに、それにもかかわらず出したものが、自信を持っていい表現のはずがないです。
堂々と語れるものを。自信をもって表現しているんだと。
自分の生温かい血を描くのであれば、完全に昇華した、美しい姿につくりかえなければならない。
その作業を怠ったら、それは「作品」ではない。ただの「感情」です。
そんなやつが表現者を名乗っていいものか……。
なんか、書きながら、ものすごい気づきを得たような感覚があります。
シナリオの内容についてのメモとしては、もう一度、その部分、書き直そうと思います。
どうせメチャクチャ書き直すつもりなんです。
作品として発表したあとに、気づいたんじゃなくて、良かった。と、今、心底安心しています。
いつも、本当にありがとうございます。
※追記(1/23)※
備忘録的に書いておきます。
記事内の、シナリオ抜粋セリフ『自分の表現に自信を持て』
それに続くセリフが、
『その想いこそが芸術(アート)だ』『人を動かす力なんだ』となります。
よく書いたもんだ……。
命をケズっている。それを書いていた頃、本当に病院で生死の境をさまよっていたので。