書評『大人になってもできないことだらけです』

『大人になってもできないことだらけです』きしもとたかひろ著、2022年(Amazonのリンクはこちら
学童支援のお仕事をされている著者さんが、子供たちと向き合う中で気づいたことを書かれたエッセイです。
以前に読んだ『怒りたくて怒ってるわけちゃうのになぁ』が、とても良かったので、この本も手に取りました。
(※そちらは保育についての本。Amazonはこちら

優しい視点でものごとを切り取っておられ、あたたかい気持ちになる内容でした。
子育てのヒントになるかと思って読み始めたのですが、良い意味で裏切られました。
子供、子育てうんぬんというより(それも、とても大事なテーマとしておありですが)、人としての生き方を考えさせられる……と感じたんですね。

暖かく、優しい一方で、「人間の弱さ」に対しても、鋭く問いかけていらっしゃる。
それらは筆者さんが、子供たちと向き合われた中で対峙したいろいろであると同時に……。

この本を、エッセイとして執筆に向き合う中で、目の前に浮かんできたテーマたちなんだろう。
抉るようにご自身の心を表現されていると感じました。そういう意味では、「保育の専門家」というよりむしろ「表現者」としての、生身の人間としての、きしもとさん(著者)を感じました。

書き手の心や感情を描く。それが本来の、「本」であり、作品であり表現である。
この書評を書くにあたって、そういう、作る側の人間としての初心を思い出したりしました。

また、面白い本を紹介出来たらイイなと思ってます。
良かったら、このブログで紹介した素晴らしい本たち、手に取って見てください。それが私にとっても何より励みです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です