この漫画のシリーズは、私が絵を描くきっかけになった出来事を描いたところから始まった物語です。
あるかたに教わった生き方を描き始めたんでした。
形としては「漫画」でしたが、別にどうこうするために存在している作品ではなく(投稿するとか、ちゃんとした形で発表するとか、そういう意図を持って作ったものではないという意味)
単に感情を描き殴ったものでした。だから、クオリティがどうのと言い出したら返す言葉もない……。
思い入れはあります。きっと愛着バイアスに決まっています。
何のために彼(ら)が生まれたかと言ったら、わたし自身を励ますためでしょう。
励ますというか……走らせるため。自分のために描いたんですね。
フィードバックのために。人生をフィードバックして物語にして、物語がフィードバックされて人生になる。
いつか、誰かのための物語になったらいいなとは、少し思っています。
そう自惚れてしまったきっかけも、わかっています。
でもそんな未来は、今のところ想像もできません。何故なら私が圧倒的に弱いからです。力が無い。ものづくりのセンスが無いし、予算を作る力が無いし、何だったら自分の生活を守るだけの健康な身体も無い。
いくら嘆いても、無いものは無い。ない袖は振れません。
だからこの作品が何かになる世界線はきっと存在しない空想ですね。その結論に至るのはもう何十回目か。
愛着バイアスはとても厄介です。
この作品への思い入れを捨てずにとってあるのは、自分のためですよね。エゴなんだな。
それはわかっているんだから、自分から切り離してしまうのがいい。
ただ、捨てられない自分がいることで、血を流すほどの感情があったことを、忘れずに済むから。そのしょうもない言い訳が、さらに自分の身体を切り刻んで、また生まれた痛みが、今日も私を走らせているのです。